詩吟の情報04

                
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4.漢詩の構成(形式)

 漢詩は2句を単位として構成されている。したがって、5句とか7句とか奇数句である漢詩は存在しない。
最も一般的なのは4句からなる絶句、8句からなる律詩などがある。
 ただ、このような表現は唐以降のことのようである。その前の漢詩は古詩と呼ばれている。
古詩と唐以後の漢詩の違いは韻の取扱である。約束とおりの韻を含んだ4句詩を絶句、8句の詩を律詩と呼ぶようである。
 しかし、詩吟においては読み下し文を対象にするから韻はもはや何の意味もない。
だから唐以降の絶句でも本来絶句ではない4句の古詩でも我々にとっては何の違いもない。
したがって、以後は4句の漢詩は絶句、8句の漢詩は律詩と呼ぶことにする。漢詩の専門家には叱られるかも知れないが。

 漢詩における詩吟の構成の基本は「2句を3節に分かつ」である。そして、節は1から3つの小節からなる。
 漢詩における構成(形式)はこの基本から出発する。例によって「川中島」を例にとって述べる。
小節の区分は「、」で、節区分は「』」で示す。「2句3息」によれば、「』」で息を吸うことになる。
これを厳格に守っている吟を聞いたことがない。しかし、木村岳風は忠実に守っている。
筆者はこの吟をコピー(真似することを最近の若い人はこう称するそうである)したことがあるが、今の多くの吟と異なる感じを受けた。
なお、「』」を用いるのは岳風会の教本に準拠している。
尚、小節は「、」で区分けしてある。

弁声、粛々』夜川を、渡る、暁に見る』千兵の、大牙を、擁するを』

 第1句(弁声・・・・渡る)と第2句(暁・・・・・擁するを) とは第2節でつながっている。これが漢詩吟における重要な特徴である。これをあくまで尊重するか、軽視するかは流派によって異なる。(1)
 この漢詩で節ごとの小節数は、2、3、3となっている。第1節が1小節の場合、第3節が2小節の場合には構成が変わってくる。
第2節は例外なく3小節からなる。

注1:「二句3息」の取扱について

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